企業でできる花粉症対策とは?プレゼンティーイズムを防ぐ配慮と具体的な対策

春先になると「鼻水が止まらない」「目がかゆくて集中できない」のような不調を訴える社員が増えていませんか?

出勤したまま業務効率が下がる状態は、企業にとって見えにくい損失になりやすいものです。

企業ができる花粉症対策は、特別な設備が必要なものばかりではありません。

花粉を持ち込まない工夫や、テレワークや時差出勤など柔軟な働き方、安心して働きやすい声かけなど、少しの工夫で実践できる取り組みが多くあります。

この記事では花粉症による生産性の低下企業ができる社員への配慮今日からできる花粉対策について具体的に解説します。

「また花粉症の季節がきたな」と後回しにせずに、できるところから対策を始めましょう。

花粉症による生産性の低下|プレゼンティーイズムを防ごう

花粉症を有している人数は正確には分かっていませんが、全国的な調査によると花粉症を有する人の割合は1998年の19.6%から2019年には42.5%へと増加傾向です。

また、2019年には約3人に1人はスギ花粉症とされています。 [1][2]

花粉症の主な症状は「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」の3つです。

ほかにも、目のかゆみやだるさ、微熱などの症状がありますが、体調が悪くても出勤する人は少なくありません。

ただし、出勤しても頭がぼーっとしたりかゆみで集中できなかったりして業務能率の低下につながることが多く見られます。

花粉症は本人のつらさだけでなく、企業にとっても見過ごせない問題です。

厚生労働省の研究では、ヒノキ科花粉症の発症期間を60日とした場合の経済損失額は388,312円と試算されています。[3]

このように、出勤していても、頭や身体がいつもどおりに働かず、生産性が低下している状態をプレゼンティーイズムと言います。[4]

花粉症は医学的に「季節性アレルギー性鼻炎」のことで、罹患率が高く、生産性の低下やQOLの低下に大きく関係しています。

プレゼンティーイズムは、いつ・だれが・どの程度不調なのかが分かりにくいことが特徴です。仕事への影響や症状も、職種によっても異なります。

そのため企業は、従業員のプレゼンティーイズムに早く気づき、適切な対策をとり生産性の低下を防ぐことが求められるのです。

企業ができる花粉症の社員への配慮

社員は、鼻水や目のかゆみがあっても、仕事で病院に行く時間がなかったり会社を休むほどではないと考えたりします。

そのため、体調が悪いまま出勤して仕事量の低下やミスにつながってしまうことも少なくありません。

企業は忙しい時期でも、花粉症の社員が早めに受診できるよう配慮することが大切です。

病院で行われる花粉症の治療には、以下のようなものがあります。[2]

  • 抗アレルギー剤:飲み薬・点眼薬・点鼻薬など
  • ステロイド剤:ステロイド点眼薬・鼻噴霧用ステロイド薬など
  • アレルゲン免疫療法:舌下免疫療法・生物学的製剤など
  • 手術療法:レーザー治療など

ステロイド剤は花粉症の症状が強く出ている方に使用されます。

花粉症の薬は、飛散開始時期や症状が軽いうちに服用を始めることで、症状を抑えられることが分かっています。[2]

そのため、本格的な花粉飛散開始の1週間前までに準備しましょう。

また、花粉症の薬が体質に合わずに仕事に集中できないケースも少なくありません。

花粉症へ配慮は、企業全体の生産性を守ることにもつながります。

ほかにも、企業でできる具体的な花粉症対策は次で解説します。

花粉症の企業対策|職場で実践できる取り組み

花粉が多く飛散する時期は、花粉の種類によって異なります。 [2]

多く飛散する時間帯や気候は以下のとおりです。

  • 昼前後と夕方
  • 晴れで気温が高い日
  • 空気が乾燥して風が強い日
  • 雨上がりの翌日

花粉が多く飛散する時間や天候にも配慮しつつ対策をしましょう。

ここでは、企業ができる花粉症対策について以下の3つに分けて解説します。

それぞれ具体例も紹介していますので「これならうちの職場でもできそうだな」と思うものから取り入れてみてください。

また、環境省と厚生労働省が出している「花粉症対策スギ花粉症について日常生活でできること」にも、花粉症対策が多く紹介されています。こちらのパンフレットもあわせてご覧ください。

職場環境を整える

職場の空気や花粉を持ち込まない工夫をすると、花粉によるつらさは軽くなります。

花粉症の社員にだけ任せるのではなく、職場全体の仕組みとして整えることが大切です。

【職場環境を整える具体例】

  • 換気は花粉が飛びにくい時間帯(早朝)に短時間で行う
  • 換気をするときはカーテンを使用して花粉の侵入を減らす
  • 出入り口付近に洋服ブラシや粘着カーペットクリーナー(コロコロ)を置き、入室前に上着を軽く払えるようにする
  • コート掛けを出入り口に設置し花粉がついた上着をオフィスに持ち込まないようにする
  • 加湿器や空気清浄機を使用し室内環境を整える

また、職場環境を整えるために、以下のような花粉症対策グッズを紹介したり、コーナーを用意したりするのもよいでしょう。[5]

  • マスク
  • 花粉対策メガネやゴーグル
  • うがい薬
  • 花粉防止スプレー
  • 洋服ブラシ・粘着ローラー(コロコロ)

このように、花粉を「入れない」「ためない」環境を職場で整えるだけでも、社員のつらさは変わってきます。

まずは出入り口まわりや換気など、取り入れやすい対策から始めてください。

働き方を調整する

花粉の飛散が多い時期は、通勤そのものが大きな負担になることもあります。

そのため、花粉症の企業対策として期間限定で柔軟な働き方ができると花粉症の社員の負担軽減になります。[2]

【働き方の調整の具体例】

  • 花粉の時期だけ期間限定でテレワークを活用する
  • 花粉の飛散が多い時間帯を避けて時差出勤を認める
  • 体調に合わせて半休や時間休をとりやすくする
  • 会議や打ち合わせは可能な範囲でオンラインを活用する

花粉症でつらい思いをしている社員が、体調を考慮して柔軟に働けるように調整することが望ましいです。

ただし、過度な配慮は「花粉症の人だけ特別扱い」と思われてしまいます。

そのため「花粉の時期だけ」と一時的な措置として、ほかの社員へ周知する必要があります。

精神的な負担に配慮する

花粉症のつらさは周囲から分かりにくく、本人も「迷惑をかけたくない」と我慢しがちです。

だからこそ、企業対策として環境や働き方の調整だけでなく、以下のような社員の心の負担への配慮も大切になります。

【精神的な負担に配慮する具体例】

上司が花粉症の社員に対しての声かけ
   「つらいときは無理しないでね」
   「集中しづらい日は作業を調整するから言ってね」
   「花粉症でつらそうだね。産業医の先生に相談してみたら?」

・花粉症の時期は社内掲示を増やす
   「換気は早朝・短時間で」
   「コートは出入り口で脱ごう」
   「コロコロを使ってから入室」

社員全体が花粉症について理解し、対策に協力してもらうことが大切です。

ほかにも、花粉症の症状で会議中に席を外すこともあるため、事前に「途中退席OK」「咳やくしゃみが出たら遠慮なく」などの配慮を、職場全体でセミナーを行い共有しておくのもよいでしょう。

花粉症の社員が、症状でつらいことを耐えるのではなく「体調が悪くても働きやすい空気」を整えるだけでも働きやすさは変わってきます。

産業医と連携する花粉症の企業対策

企業として、花粉症によるプレゼンティーイズムが生じて生産性が低下するのは避けたいところです。

ただ、花粉症の症状がつらそうな社員がいても「会社としてどのようにサポートしたらよいのかな」と悩む企業は少なくありません。

そのようなときこそ、企業内で抱え込まずに産業医に相談することも考えてください。

ここさぽは、あなたの会社とともに社員の心身の健康を支え、働きやすい職場づくりをサポートします。

「実際にどのようなサポートがあるの?」「具体的に何から始めたらいいの?」と気になることもご相談ください。

わたしたちは、企業様の状況を伺ったうえで、御社に合ったサポートや支援を提案します。

まずは、お気軽にお問い合わせください。

まとめ|花粉症の企業対策は生産性低下を防ぐための取り組み

花粉症は個人の不調に見えやすいですが、出勤したまま生産性が下がるプレゼンティーイズムを通じて、企業の生産性にも関係してきます。

だからこそ、花粉症への配慮は社員のためだけでなく、企業を守る取り組みとして考えることが大切です。

職場環境の工夫や働き方の調整、声かけにより働きやすい雰囲気づくりなど、企業ができる対策は多くあります。

「どこから始めたらよいのかな」と迷うときは、産業医と連携しながら無理のない形で対策を整理していきましょう。

ここさぽは、企業と一緒に考えながら働きやすい職場づくりをサポートします。

まずは、今感じているお困りごとからお聞かせください。

【参考文献】
[1] 花粉症環境保健マニュアル2022p8|環境省
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf

[2] 花粉症対策 スギ花粉症について日常生活でできること|環境省 厚生労働省
https://www.env.go.jp/content/000194676.pdf

[3] 8. 厚生労働科学研究費補助金(免疫、アレルギー疾患政策研究事業)分担研究報告書|厚生労働省研究データべース
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202412006A-buntan8.PDF

[4] データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドラインp23|厚生労働省保険局
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000171483.pdf

[5] 花粉症Q&A集(平成22年度)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/ippan-qa.html

お問い合わせ・資料請求